About - CoDa ーデータのあり方の未来を共創する

About

プロジェクト概要

CoDa*は、パーソナルデータの利用に対する不安や、非民主的な技術利用シナリオの決定プロセスに対し、新しい仕組みを提案するプロジェクトです。

*CoDaは、Co-speculation for future Data useの略です

1. パーソナルデータとは

パーソナルデータを知っていますか?
パーソナルデータとは「あなたに関するあらゆる情報」のことを指します。例えば、個人の氏名・住所・性別といった属性を表すデータに加え、移動・検索・購買などの行動のデータ、病歴・投薬・ウェアラブルデバイスなどから収集された生体データなど、個人に関わる広い範囲の情報のことです。
内閣府が掲げるSociety5.0のビジョンのもと、政府や企業は、さまざまなパーソナルデータをセンサーやアプリケーションを通して取得しています。それらを人工知能が解析して、個人に最適な情報を返すことで、便利で質の高い生活が実現すると考えられています。例えば、ネットショッピングの履歴から、Web ページにその人に合ったおすすめ商品の広告が表示されたり、サブスクリプションサービスで自分の好みに合った音楽のプレイリストが提案されたり、そんな経験がある人も多いのではないのでしょうか?

2. 市民の不安

このように、パーソナルデータをサービスに用いることで、仕事を効率化したり、今までになかった気づきを私たちに与えてくれます。
その一方で、使い道によっては、私たちの人権や人間関係に影響を与える可能性もあります。例えば、自分の能力や人としての信頼性を一方的に決めつけられたり、知らぬ間に第三者にデータが利用されるなどの問題が起きると考えられます。

3. パーソナルデータ利活用の課題

現在、パーソナルデータの利活用をはじめ、テクノロジーの生活での利用のシナリオは、一部の専門家のみによって考えられています。そこではもしかしたら、例外的な人たちの生活でのテクノロジーのあり方、あるいは、より詳細な人間同士のやり取りの局面でのテクノロジーのあり方が、考慮されていないかもしれません。その結果、一部の人たちが不利益を被ったり、生活者に本当に魅力のあるサービスが作りづらい、ということが起きているのかもしれません。だから、生活の当事者である私たちが、テクノロジーのあり方についてもっと話し合い、一部の専門家たちにそのあり方について、伝えていく必要があるのです。

4. Co-Speculationとは

CoDaは、パーソナルデータの利活用の未来のあり方を、サービスの利用者、提供者、法制度や政策を考える人などの壁を越えて話し合い、これまでのアンバランスな技術利用シナリオの決定プロセスを、より民主的なものに変えようとする活動です。様々なアクティビティを通して「データ利活用」のある未来の生活を「自分ごと」にし、どうありたいのか、その意志を明らかにします。それらを、サービス利用者、サービス提供者、法制度や政策策定者などのステークホルダーの間で共有し、それぞれの立場で、今できるアクションプランを考えます。
私たちは、この変化のプロセスを、3つのフェーズからなる、「Co-Speculation」という方法論で起こそうとしています。

Co-Speculation

ー3つのPhaseー

Phase 1 現状のテクノロジー利用と、テクノロジーに対するイメージを理解する

日常的にパーソナルデータの利活用サービスを利用している人々へ、訪問調査をはじめとするエスノグラフィックリサーチを実施します。
私たちのパーソナルデータの利活用の状況や、それに対するイメージを理解し、異なる利害関係を持つ人々の間で、未来にどのような対立やジレンマが起きる可能性があるかを想定します。

Phase 2 未来のテクノロジーの日常化を擬似体験し、批評や意思を生成する

Phase1で得られた未来に起きうる対立やジレンマを、私たち未来の利用者が、擬似体験します。
擬似体験をより実際の体験に近づけるために、「Design Fiction Probe」や「What-if?」などの手法を活用します。
そこから私たちの未来のパーソナルデータ利活用に対する批評や意思を生成します。

Phase 3 批評や意思を多様なステークホルダーと共感し、議論する

Phase2によって生成されたパーソナルデータ利活用に関する批評や意思を、異なる役割や背景を持つ多様な市民(ステークホルダー)から成るパブリック・グループに伝えます。
伝える方法として、観衆が自分にも起こりうる未来として共感するための適切なメディア(例えば体験型のインスタレーションやインタラクティブな演劇)に編集します。
未来の体験への共感をもとに、各ステークホルダーが、パーソナルデータが私たちにとって理想的に活用されるために、取るべきアクションを考え、共有・議論します。